将棋

第73期王将戦にコメントした作家の柚月裕子先生はどんな人!?

2024年、第73期王将戦は藤井聡太王将に菅井竜也八段が挑むシリーズは藤井聡太先生の一勝となったわけですが、勝負はまだ始まったばかりで、どうなるかわからないのがタイトル戦の歴史としてあります。

ここまで話題性があるのはやはり八冠制覇した藤井聡太先生の存在なくして語れません。

人間である以上、疲労とも戦いながらなので、よく藤井聡太先生は「AI越え」と評価される手を選ばれるわけですがすべてうまくいくとは限らないのが将棋の世界。

そんな熱戦に期待を込めて作家の柚月裕子がコメントされたことで記事になっていたのでどんな人物なのか調べてみました。将棋とはどんなご縁があるのかも気になるところです。

それではどうぞ!

柚月裕子先生とは?

小説家であり、推理作家でもあります。人気なのはシリーズものになります。

以下に来歴と受賞と候補歴をご紹介。

来歴

岩手県釜石市の出身で、小学2年生から5年生までの間は盛岡市で過ごし、盛岡市立山岸小学校で学んだ。子どもの頃は転勤族で小学校を3回変わるなど、岩手県内をあちこち転校していたという。少女時代からシャーロック・ホームズシリーズに親しむ。成人するまでは岩手県で過ごし、高校卒業後に父の転勤に伴って山形県山形市に転居。21歳で結婚し、ほどなく転勤で岩手に戻った両親をよそに同地に定住して、2児を設ける。

子育てが一段落した時に、山形市にて池上冬樹が世話人を務める「小説家になろう講座」(現:山形小説家・ライター講座)の開催を知って、講師を務めるベテランの作家や編集者の話が聞きたいと講座に参加する。

一方で地元タウン誌の手伝いで取材原稿を執筆して自分の文章を読んでもらえる喜びを知り、自分が思ったことを表現したいと小説の執筆を開始する。

初めて講座に提出した短編で講師の志水辰夫に可能性を指摘されたことで地元・山形新聞社主催の「山新文学賞」への応募を決意し、2007年、「待ち人」が同賞に入選する。この受賞が自信となり、2008年、40歳の時に『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞し、作家としてデビュー。

2013年、『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を受賞。2016年、『孤狼の血』シリーズ3部作の第1作『孤狼の血』で4回目のノミネートだった第69回日本推理作家協会賞を受賞[。同作品は2018年に映画化され、公開後の5月21日付けオリコン週間文庫ランキングでは同名原作小説が15位から9位にランクアップし、柚月にとって初のトップ10入りを果たした。また、シリーズ第2作『凶犬の眼』をベースとした映画の続編が制作されることが発表されている他、『岩手日報』にて2018年2月から2019年1月に連載した『孤狼の血』シリーズ3部作の完結編となる『暴虎の牙』の連載が『夕刊フジ』で2018年10月1日から開始された。

Wikipediaより引用

おおまかな受賞・候補歴

  • 2007年 – 『待ち人』で山新文学賞入選・天賞受賞(山形県の地元紙、山形新聞の文学賞)。
  • 2008年 – 『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞。
  • 2012年 – 『検事の本懐』で第25回山本周五郎賞候補。2013年、同作で第15回大藪春彦賞受賞。
  • 2016年 – 『孤狼の血』で第154回直木三十五賞候補、第37回吉川英治文学新人賞候補、第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、2017年度の第11回啓文堂書店 文庫大賞を受賞。
  • 2017年 – 『慈雨』で本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10第1位。
  • 2017年 – 『盤上の向日葵』で第7回山田風太郎賞候補。2018年、同作で本屋大賞2位。2018年、同作により将棋ペンクラブ大賞・文芸部門:優秀賞を受賞。
  • 2019年 – 『朽ちないサクラ』で第5回徳間文庫大賞受賞。
  • 2020年 – 『暴虎の牙』で第33回山本周五郎賞候補。

「盤上の向日葵」とは?

今回取り上げることになったきっかけはまさに、柚月裕子先生が手掛けた「盤上の向日葵」という作品があるためです。物語を以下に簡単にご紹介します。

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平成六年、夏。埼玉県の山中で白骨死体が発見された。遺留品は、名匠の将棋駒。叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志した新米刑事の佐野は、駒の足取りを追って日本各地に飛ぶ。折しも将棋界では、実業界から転身した異端の天才棋士・上条桂介が、世紀の一戦に挑もうとしていた――

Amazonより引用

将棋をモチーフとされた推理小説のようで、NHKでも実写化されたほどです。

また、実際に藤井聡太先生にもお会いになられているため、こんなコメントを残されています。

どのジャンルも、盛り上がるときはスターが現れる。

 いまの将棋界においては、やはり藤井聡太王将だろう。なにやらすごい少年がいる、と知ってから、あっというまに将棋の記録を塗り替えて、昨年は前人未到の8冠を達成した。  藤井王将の人気はすごく、特集を組んだ雑誌はいつもの売り上げを優に超え、グッズの売れ行きも好調。

羽生善治九段が日本将棋連盟の会長になり、おふたりの署名が入ることになったアマチュア有段者に発行する「免状」の申請は、通常の3倍になったというから驚きだ。  

将棋界はまさに藤井旋風が吹き荒れているが、ご本人は至って冷静なように見える。はじめて藤井王将にお会いしたのはいまから3年前になるが、対局前の表情はその頃より穏やかなように見える。

一方、将棋盤に向かう姿はかつてより貫禄があり、気迫に満ちているように感じた。  

その藤井王将が、2024年の初防衛に挑むのが王将戦だ。挑戦者は菅井竜也八段。17年度に行われた第58期王位戦で、羽生九段に勝ち、平成生まれ初のタイトルホルダーになった方だ。

 おふたりは昨年、第8期叡王戦で対局している。結果、藤井王将がタイトル防衛を果たしたが、この対局で菅井八段はさらに強くなられたはずだ。幾度かタイトル戦の場に立ち会わせていただいたことがあるが、対局室はその場にいなければわからないものがある。息が詰まるほどの緊張感と、対局者の身体からにじみでる熱量だ。  

ふたりの棋士の一挙一動に目を凝らし、わずかな足音を立てることもはばかられる空間は、独特のものだ。その経験をさらに積まれた菅井八段は、将棋の腕、精神ともに成長されたと思う。名人戦の予選にあたる最上位のA級順位戦で、現在2位にいることもひとつの証左だろう。

今年はじめての防衛がかかっている藤井王将、去年の悔しさをバネになんとしてでもタイトルを奪取したい菅井八段。きっと、一手一手が見逃せない、白熱した対局になるだろう。そして、私たち将棋ファンは手に汗握り、その対局にくぎ付けになり、真剣に闘うふたりの姿から力をもらう。熱い闘いで、さらに多くの人々を魅了していただきたい。

(ゆづき・ゆうこ)

そのほかの人気ランキング

個人的に、その他にも人気とされている作品が4選ほどご紹介。人気となっているのはシリーズものが多いようなので、ご参考ください。

①『孤狼の血』

常識外れのマル暴刑事と極道の、プライドを賭けた戦い。作家、マスコミほか多くの賞賛を集めた、圧巻の警察小説。

緻密な構成、卓抜したリアリティ、予期せぬ結末。いやあ、おもしろい。正統派ハードボイルドに圧倒された。
――黒川博行氏(作家)

日本ミステリ史に残る、今世紀最高の悪徳警官小説だ。
――茶木則雄氏(書評家)

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく――。

Amazonより引用

『検事の本懐』

ガレージや車が燃やされるなど17件続いた放火事件。険悪ムードが漂う捜査本部は、16件目の現場から走り去った人物に似た男を強引に別件逮捕する。取調を担当することになった新人検事の佐方貞人は「まだ事件は解決していない」と唯一被害者が出た13件目の放火の手口に不審を抱く(「樹を見る」)。権力と策略が交錯する司法を舞台に、追い込まれた人間たちの本性を描いた慟哭のミステリー、全5話。第15回大藪春彦賞受賞作。

Amazonより引用

    ③『凶犬の眼』

    悪徳刑事・大上章吾の血を受け継いだ日岡秀一。広島の県北の駐在所で牙を研ぐ日岡の前に現れた最後の任侠・国光寛郎の狙いとは?日本最大の暴力団抗争に巻き込まれた日岡の運命は?『孤狼の血』続編!

    Amazonより引用

    ④『最後の証人』

    検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。ホテルの密室で男女の痴情のもつれが引き起こした刺殺事件。現場の状況証拠などから被告人は有罪が濃厚とされていた。それにもかかわらず、佐方は弁護を引き受けた。「面白くなりそう」だから。佐方は法廷で若手敏腕検事・真生と対峙しながら事件の裏に隠された真相を手繰り寄せていく。やがて7年前に起きたある交通事故との関連が明らかになり……。

    Amazonより引用

    まとめ!

    第73期王将戦に期待され、コメントされた柚月裕子先生。

    自身も将棋を題材とされた推理小説「盤上の向日葵」を執筆された経緯からの視点、また実際に対局場での緊張感の経験から魅力を伝えられています。

    他にも人気となっている作品もあるため、これを機会にまだ読まれてない方は読まれてみるのも良いでしょう。

    それではこのあたりで。