将棋

将棋の魅力「女流棋士」

個人的になぜあまり取り上げられないのか不思議なのが「女流棋士」です。

女性だからと理由で、勝負飯が取り上げられることも、タイトル戦で活躍しても

テレビで報道されることはほぼありません。

男女平等とされながらも、女流棋士の魅力をもっと広がって欲しいという個人的な願望をこめて自分なりにお伝えできればと思います。

女流棋士と棋士

女流棋士と言われても、男性のように奨励会で切磋琢磨というわけではなく、研修会で条件をクリアしてようやく棋士としての挑戦権を獲得できる形のようです。そして「女流棋士」と「棋士」は区分けされており、女性は女性のタイトル、段位を与えられる形です。

奨励会には厳しい条件があるため、現在のところ女流棋士が「棋士」として合格できた人物は0人。

男性と比べてタイトル戦の賞金も少なく、女流棋士の中でも優秀な棋士はいるのに、まるで取り上げられないようでは将棋の魅力を普及する点で言えば残念と言わざるをえません。

以下はウィキペディアより引用です。

将棋の棋士の制度に男女の区別はなく、新進棋士奨励会が1928年(昭和3年)に創設されて以来「奨励会に入会し、昇級昇段規定を満たして四段に昇段すること」が棋士となる要件である。そのために1974年の女流棋士制度の発足以降も女流棋士は奨励会に重複して在籍可能で、そのために女流棋士でありながら棋士になるために、林葉直子、中井広恵、矢内理絵子、碓井涼子などが奨励会に重籍していた。しかしその事に奨励会員からの不満の声もあり、1998年に女流棋士総則が改正され、「奨励会員と女流棋士の重複は認めない」とされ、奨励会に籍を置く際には女流棋士を休会しなければならなくなった。

2011年に里見香奈女流三冠が奨励会への挑戦を表明した。これを踏まえて将棋連盟理事会は、「女流棋士が奨励会試験を受験し入会することは自由である」として女流棋士と奨励会員の重複を再度認めるようになった。里見は2011年5月に1級で編入試験に合格すると、2012年1月初段、2013年7月二段、同年12月三段に昇段した。その後、奨励会三段リーグでは3期の休場を挟んで計5期出場したが、四段昇段を果たせず年齢制限により退会した。

2022年時点で棋士になった女性はいないものの、上記の里見が奨励会退会後にプロ公式戦の女流参加枠で棋士編入試験受験資格獲得に迫る成績を挙げていた事と、奨励会員の西山朋佳が三段リーグ在籍中で顕著な成績を上げていた事を踏まえて、いずれかが四段昇段を果たした場合の明確な対処基準を設定することが求められていたため、2019年8月7日、日本将棋連盟は「女流棋士、女性奨励会員の棋戦参加について」で、「女流棋士がプロ棋士編入試験に合格した場合、女流棋戦、及びプロ棋士公式棋戦の両方に出場することが出来る」 「奨励会に所属している女性が四段に昇段をした場合、女流棋士申請を行うことが出来る。ただし、申請期間は昇段日から2週間以内とする」

として女流棋士と棋士を並行して活動できることとした。

女流棋士から奨励会を経ずに棋士になるには、女流棋戦で優秀な成績を挙げて棋士棋戦に出場し、以下の条件のいずれかを満たして棋士編入試験の受験資格を得、新四段5人を試験官とする5局の対局で3勝を上げる必要がある。

  • 棋士棋戦での通算成績が最も良いところから見て10勝以上、かつその間の勝率が6割5分以上の成績を収めること
  • 以下の各棋戦のいずれか1つにおいて所定の成績を収めること
    • 竜王戦:ランキング戦優勝
    • 王位戦:挑戦者決定リーグ入り
    • 王座戦:挑戦者決定トーナメントベスト8
    • 棋王戦:挑戦者決定トーナメントベスト8
    • 棋聖戦:決勝トーナメントベスト8
    • 朝日杯将棋オープン戦:本戦トーナメントベスト4
    • 銀河戦:決勝トーナメントベスト4
    • NHK杯テレビ将棋トーナメント:本戦トーナメントベスト4
    • 新人王戦:優勝

現在のタイトル保持者

2023年9月の段階でタイトル保持者は主に2名で、里見香奈先生、西山朋佳先生となっています。面白いのは、将棋連盟ホームページではタイトルは保持していないのに清水市代先生の写真が掲載されていること。

というのも、羽生先生が活躍されていた時期に、女流棋士で清水先生がタイトルをほぼ手に入れられた功績があまりにも大きく、女流では珍しく「七段」という段位を得られています。

以下は将棋連盟ホームページより引用しています。

清水市代先生の凄さ

清水市代先生の何がすごいのか、というお話ですが女流名人・王将・王位、倉敷藤花と獲得合計は43期と途方もない記録を残されているんです。ちょっとは勝負飯の話題になってもいいほどではありますが、あまり取り上げられることなく、現在に至っています。

現状は二人のタイトル保持者が注目

タイトル保持という点では、女流では二名に絞られています。

里見香奈先生と西山朋佳先生。

この二人から誰がタイトルを取れるのか、はたまたどちらかがタイトル全冠制覇となるのか、注目されてもおかしくない状況ではあります。

いずれにしても、女流棋士のタイトル戦もよく見てみると男性のタイトル戦に匹敵する見どころがあるものです。

それではざっとではありますが、女流のタイトル戦の大まかなルールを以下に記載しておきます。

白玲戦

四時間・七番勝負。2021年度、初回開催。

正式名称はヒューリック杯白玲戦

清麗戦

四時間・五番勝負。2019年度、初回開催。

正式名称は大成建設杯清麗戦

倉敷藤花戦

二時間・三番勝負。1992年度、初回開催。

正式名称は大山名人杯倉敷藤花戦

倉敷市出身の大山康晴十五世名人の功績をたたえ、倉敷市芸文館(大山名人記念館が併設)の開館に合わせて本棋戦をメイン事業の位置付けで1993年に創設された。

当初は女流王座戦などが棋戦名の候補であったが、女流棋士会から既存の男性タイトル戦名および「女流~戦」を避けてほしいという要望があり、最終的に「大山名人杯倉敷藤花戦」に決定した。「藤花」の名は、倉敷市の花が藤の花であることにちなむ。

2023年開始の第31期より棋戦名における冠名の表記順に変更があり、それまでの「期数・冠名・棋戦名」の順(第30期 大山名人杯 倉敷藤花戦)から「冠名・期数・棋戦名」の順(大山名人杯 第31期 倉敷藤花戦)の名称で行われている。

女流王座戦

三時間・五番勝負。2011年度、初回開催。

正式名称はリコー杯女流王座戦

女流王位戦

四時間・五番勝負。1990年度、初回開催。

女流王将戦

三時間・三番勝負。1978年度、初回開催。

正式名称は霧島酒造杯女流王将戦

女流名人戦

三時間・五番勝負。1974年度、初回開催。

正式名称は岡田美術館杯女流名人戦

マイナビ女子オープン

三時間・五番勝負。2008年度、初回開催。

タイトル戦でありながら、唯一称号を名称には含まれず、優勝すると「女王」というタイトルを手に入れることになります。

まとめ!

将棋といえば、やはりまだまだ男性が指すものだという傾向にあります。

女性で将棋の道に進む人は稀であり、だからこそあまり注目されないのかもしれませんが

マスメディアは将棋を取り上げるなら、男女を平等に取り上げるべきではないかと感じました。

そうすることで、もしかするとある女流棋士に憧れて将棋を始める女性も出てくるかもしれませんしね。

それでは、本日はこのあたりで。